なぜ日によって仕上がりが変わるのか?
「昨日は完璧だったのに、今日はムラだらけになる」「午前と午後で膜の厚さが変わってしまう」。ディップコーティングの実験室で、本当によく聞かれる声です。
液の粘度も、引き上げ速度も全く同じ設定にしている。それなのに結果がバラつく場合、あなたが疑うべきは装置でも液でもありません。実験室の「空気」です。
ディップコーティングは「塗る」プロセスだと思われがちですが、実は「乾かす」プロセスでもあります。この乾燥のコントロールこそが、毎日安定した品質を出すための最大の鍵となります。
風が乾燥スピードと膜厚を狂わせる
ワークが液面から引き上げられた瞬間から、液に含まれる溶媒の蒸発がスタートします。この蒸発のスピードは、周囲の気流(風)によって劇的に変化します。
たとえば、実験室のエアコンの風が直接当たっていたり、人が機械の横を歩いて空気が動いたりするだけで、局所的に蒸発が速まります。蒸発が速まると、そこだけ液の粘度が急上昇し、膜が厚くなったり、スジのようなムラ(乾燥ムラ)ができたりします。 特に、アルコールやシンナーなど揮発性の高い(乾きやすい)溶媒を使っている場合、ほんのわずかな空気の動きが致命的な欠陥を引き起こします。
解決策は「無風」の空間を作ること
この問題を解決する一番確実な方法は、装置全体を透明なカバー(チャンバー)で覆ってしまうことです。
チャンバーで覆うことで、部屋の気流を完全にブロックできます。さらに、チャンバー内部に溶媒の蒸気が適度に充満するため、蒸発スピードが穏やかになり、液が均一に広がる時間(レベリング時間)をしっかり確保できます。これにより、毎日、誰がやっても同じ品質のコーティングが可能になります。
環境制御から受託コーティングまで
プロの研究現場や量産ラインでは、チャンバーの設置は必須と言えます。SDIのディップコーターは、オプションで専用チャンバーを取り付けることが可能です。また、よりシビアな条件が求められる場合は、内部の温度や湿度まで精密に管理できるカスタム装置も設計しています。
もし「自社の実験室ではどうしても環境が安定しない」とお悩みの場合は、SDIの受託コーティングをご利用ください。温度・湿度が徹底管理された環境下で、プロの技術者があなたの代わりに理想的なコーティングを実施します。
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