タッチパネルの防汚(フッ素)コーティング|撥水・撥油材料を均一に塗る最適条件

スマートフォンや車載ディスプレイに欠かせない、指紋や汚れを防ぐ「防汚コーティング」。水も油も強力に弾くフッ素系材料(フッ素樹脂やシランカップリング剤)を使用しますが、液自体が「弾く」性質を持つため、ガラス表面に均一に定着させるのが非常に難しいプロセスです。 フッ素コート特有のムラを防ぐための表面改質(前処理)と、極低速引き上げの重要性をまとめました。

1. フッ素系液体がディップコートでムラになる理由

表面張力の低さが「液だまり」と「干渉縞」を生む

フッ素系の液は表面張力が非常に低く、あらゆるものを弾こうとします。そのため、ガラスを引き上げる速度が速すぎると液がうまく定着せず、液だまりやスジを作ります。

防汚コートは通常、数ナノ〜十数ナノメートルの極薄膜です。ここでわずかでも厚みにムラができると、光の干渉によって表面が虹色に光って見えたり(干渉縞)、白く曇ったりして、ディスプレイの視認性が極端に落ちてしまいます。

2. 弾く液を定着させるための「超親水化」

真空プラズマ処理による強力な化学結合

滑りやすいフッ素系の液をガラスにしっかり定着させるには、事前のガラス洗浄が命です。 単に汚れを落とすだけでなく、UVオゾンや真空プラズマ処理を行ってガラス表面を「超親水状態」にします。これによりガラス表面のOH基(水酸基)とフッ素材料が強力に化学結合し、摩擦に強く剥がれない強固な膜を作ることができます。

3. 【解決策】極限まで遅い引き上げ速度の維持

前処理からコーティングまでを一貫サポート

超親水状態にしたガラスに液を乗せたら、あとはいかに薄く均一に残すかが勝負です。フッ素系の液は滑りやすいため、振動を与えずに極めて遅い速度(数mm/min〜数nm/sec)で静かに引き上げる必要があります。

SDIのディップコーターは、このような極薄膜に最適化された超低速・無振動駆動を標準搭載しています。また、SDIの受託コーティングサービスでは、必須となる「真空プラズマ前処理」から「ディップコーティング」「熱乾燥」までの一貫プロセスを自社内で提供しています。

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