内容物の品質維持や長期保存に不可欠なラミネート包材は、光による劣化からも保護する必要があります。
特に、紫外線は包装材内部の製品にダメージを与え、変色や成分変化を引き起こす原因となり得ます。
そのため、効果的な紫外線遮断性能を持つコーティング材料の選定は、製品の付加価値を高める上で極めて重要です。
今回は、ラミネート包材に求められる紫外線カットコーティング材料の具体的な性能指標と、実用化に向けた加工適性について詳しく解説します。
紫外線カットコーティングの性能基準
紫外線カット率の目標値
ラミネート包材に適用される紫外線カットコーティング材料には、対象とする内容物や要求される保存期間に応じて、適切な紫外線カット率の目標値が設定されています。
一般的に、食品や医薬品、化粧品などのデリケートな製品においては、波長380nm以下の紫外線を90%以上、あるいはより高いレベルで99%以上カットすることが望ましいとされています。
透明性への影響と評価基準
紫外線カット性能を追求する一方で、コーティング材料の選択においては、包材としての基本的な機能である透明性を損なわないことも極めて重要視されます。
紫外線吸収剤や顔料などの添加剤は、しばしばコーティング層の白濁や黄変を引き起こし、内容物の視認性を低下させる可能性があります。
実用的なレベルでは、ヘイズ値が1%未満、色差が2以下といった厳しい基準を満たすことが求められる場合もあります。
ボイル・レトルト耐性とコーティング層の安定性
ラミネート包材がボイルやレトルト処理を必要とする用途で使用される場合、紫外線カットコーティング層がこれらの過酷な条件下でも安定した性能を維持できるかどうかが重要な評価項目となります。
高温高圧の処理環境下では、コーティング層に剥離、気泡の発生、著しい変色、あるいは接着力の低下といった問題が生じる可能性があります。
したがって、ボイル耐性試験やレトルト耐性試験を実施し、コーティング層の密着性、耐久性、および外観変化を詳細に評価する必要があります。
ディップコーティングによる紫外線カットコーティング
ディップコーティングとは
ディップコーティングとは、基材をコーティング液に一定速度で浸漬・引き上げることで、均一な薄膜を形成する手法です。スピンコートやスプレー法に比べて、広面積の基材にも均一に塗布できる点が特徴で、特にフィルムやシート状素材への加工に適しています。
ディップコーティングによる均一塗布の最適条件
紫外線カットコーティング材料をラミネートフィルムに適用する際、特にディップコーティング法を採用する場合には、均一な塗布層を形成するための最適条件を見出すことが不可欠です。
コーティング液の粘度調整は、塗布膜厚を制御する上で最も基本的な要素です。
また、コーティング速度や引き上げ速度を一定に保ち、塗布装置の温度管理を適切に行うことで、ムラのない均一な塗膜を得ることができます。
さらに、乾燥工程における温度や時間は、溶剤の揮発速度とコーティング層の硬化に影響を与えるため、基材の種類やコーティング液の組成に応じて最適化する必要があります。
まとめ
ラミネート包材における紫外線カットコーティング材料の選定は、内容物の品質保持と製品価値向上に直結する重要なプロセスです。
今回は、要求される紫外線カット率や、透明性への影響を評価する基準、ボイル・レトルト処理への耐性について解説しました。
さらに、ディップコーティングによる紫外線カットコーディングを行う際の均一塗布の最適化、実用化に向けた加工適性に関する注意点もお伝えしました。
これらの性能と加工適性を総合的に評価し、最適なコーティング材料を選択することが、高機能なラミネート包材の開発に繋がります。
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ご検討の際は、ぜひ一度ご相談ください。
