3Dプリント品の最適なコーティングと表面仕上げ

3Dプリントは、プロトタイプ作成から量産まで幅広く活用されていますが、プリント後の仕上げが製品の品質や機能性を大きく左右します。

特に表面処理は、見た目の美しさだけでなく、耐久性や機能性向上に不可欠です。

素材や造形方法によって最適な処理方法は異なるため、適切な選択が重要になります。

今回は、3Dプリント品の材質や造形方法に合わせた、最適なコーティングと表面仕上げの方法をご紹介します。

3Dプリント品の最適なコーティング選び

材質別のコーティング選択基準

3Dプリントに使用される材質は多岐に渡り、それぞれ特性が異なります。

コーティングを選ぶ際には、まずプリントに使用した材質を確認しましょう。

例えば、ナイロンなどの熱可塑性樹脂は、耐熱性や耐薬品性を高めるコーティングが適しています。

一方、光造形(SLA)方式で造形されたレジン素材は、表面の滑らかさを向上させるコーティングや、耐UV性、耐水性を付加するコーティングが有効です。

金属のような外観や強度を求める場合は、金属メッキが選択肢になります。

コーティングの種類と特性

代表的なコーティングの種類には、セラミックコーティング、金属メッキ、ポリマーコーティングなどがあります。

セラミックコーティングは、耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性に優れ、特に高温環境や化学薬品を使用する用途に適しています。

金属メッキは、金属特有の光沢や強度を付与し、耐食性も向上させます。

ニッケルやクロムメッキは一般的な選択肢です。

ポリマーコーティングは、表面の滑らかさや光沢を高め、傷つきやすさを軽減する効果があります。

種類も豊富で、用途に合わせた選択が可能です。

各コーティングのメリットデメリット

それぞれのコーティングにはメリットとデメリットがあります。

セラミックコーティングは高い機能性を発揮しますが、コストが高く、処理に専門的な知識や設備が必要となる場合があります。

金属メッキは、金属特有の質感と強度が得られますが、環境への配慮が必要な場合があります。

ポリマーコーティングは比較的安価で手軽に処理できますが、耐薬品性や耐熱性はコーティングの種類によって大きく異なります。

用途や求められる特性を考慮し、最適なコーティングを選択することが重要です。

3Dプリント品の表面仕上げ方法

造形方法別表面処理手順

造形方法によって、表面処理の手順が異なります。

SLA方式では、まず洗浄と二次硬化を行い、その後研磨やコーティングを行います。

洗浄は、未硬化レジンを除去するために重要です。

二次硬化は、造形品の強度を高め、表面の滑らかさを向上させます。

SLS方式では、まず余剰パウダーを除去し、ブラスト処理を行います。

その後、バレル研磨、ベーパースムージングなどの方法で表面を滑らかに仕上げ、必要に応じてコーティングや塗装を行います。

FDM方式では、積層痕が目立つため、研磨が特に重要になります。

研磨方法と注意点

研磨は、表面の粗さを軽減し、滑らかな仕上がりを得るための重要な工程です。

サンドペーパーなどの研磨材を使用し、粗い目のものから徐々に細かい目へと移行しながら研磨します。

水研ぎを行うことで、傷つきを軽減し、より滑らかな表面に仕上げることができます。

研磨の際には、力の入れすぎに注意し、表面を傷つけないように丁寧に作業を行うことが重要です。

複雑な形状の造形品には、専用の研磨ツールが有効です。

コーティングの種類と手順

コーティングは、表面の保護や機能性の向上を目的として行われます。

スプレー塗装、浸漬、刷毛塗りなど、様々な方法があります。

スプレー塗装は、均一なコーティングが得られる一方、塗装ブースなどの設備が必要となる場合があります。

浸漬は、複雑な形状にも対応できますが、乾燥に時間がかかる場合があります。

刷毛塗りは、細かい部分の処理に適していますが、均一な仕上がりにするには熟練の技術が必要です。

コーティングの種類も多様で、用途や素材、求められる特性に応じて選択する必要があります。

まとめ

3Dプリント品の最適なコーティングと表面仕上げは、使用する材質と造形方法によって異なります。

洗浄、二次硬化、研磨、コーティングといった工程を適切に組み合わせることで、製品の品質と機能性を向上させることができます。

それぞれの工程で使用する材料や工具、注意点などを理解し、最適な方法を選択することが重要です。

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ご検討の際は、ぜひ一度ご相談ください。